超硬コンパクト形成の現状
炭化物の成形体が形成されると、それは多孔質状態で存在する。湿式研削中、WC形状は強い衝撃を受け、表面エネルギーと反応性が増加する。空気に長くさらされると酸化が進み、還元に多くの炭素が必要となる。超硬合金の理論炭素含有量を6.128%とすると、酸素/炭素比は12/16となる。酸素が1単位増えるごとに炭素の3/4が消費され、合金焼結後のη相形成が促進される。
カーバイド混合物中の酸素の存在
炭化物混合物中の酸素は、閉塞酸素、コバルト表面酸素、WO2またはWO3中の酸素として存在する。全酸素含有量の測定は困難であり、生産に支障をきたす。どこにでもある酸素濃縮のため、プロセスを効果的に管理することが極めて重要である。
閉塞酸素
コンパクトの間隙や表面に存在し、焼結前に真空排気によって除去されるが、合金の焼結には影響しない。
コバルト 表面酸素
コバルトは酸化されやすいため、酸化膜を形成する。焼結時の還元は遊離炭素と複合炭素に依存し、炭素-酸素バランスと焼結制御に影響を与える。
WO2またはWO3 酸素
酸化物の中には、還元や酸化が不完全なものもあり、炭素を著しく消費し、焼結炭素量の制御を複雑にする。
カーバイド中の炭素の形態
炭素は、WC化学量論、バインダーの分解による炭素の増加、および炉ガスによる炭素の浸透で存在する。理論的な炭素含有量とバインダーの分解に基づいて調整される。炉ガスからの炭素浸入は、黒鉛生成物の影響により発生し、高温で悪化する。
超硬合金特性に及ぼすコバルトの影響
コバルトの結晶構造は合金の靭性に影響する。ε-Co構造は靭性を低下させ、α-Co構造は耐破壊性を向上させる。WC中のコバルト溶解は温度によって変化し、すべり面や焼結プロセスに影響を与える。
カーバイドの液相
液相は理論的には1340℃で現れ、炭素含有量によって変化する。焼結温度は液相量と結晶粒成長に影響する。VC、TaC、Cr3C2のような抑制剤は、過剰な粒成長を抑制することができる。
結論
WC-Co超硬合金の焼結では、三元共晶構造の追求が重要であり、耐久性と靭性を向上させる。脱炭せずにWC粒成長とコバルト溶解を効果的に管理することで、超硬合金の特性が向上する。「高温と低炭素」は焼結の本質を要約している。